Fresh / Sly and The Family Stone [Sly Stone]
いよいよ正式なアナウンスで盛り上がるビートルズリマスター。
さすがアップル、オフィシャルのモノラルミックスには今から期待が膨らむ。
ぼくの友人にPCでモノラルにして聴いているツワモノがいるのだが、もう大変な騒ぎである(笑)
しかし、冷静に考えるとLP時代は平和だったと思う。
鳴り物入りで登場したCDではあるが、最新24ビット・リマスターだ!オリジナル・ジャケットを完全再現だ!と何回買い替えをしなければならないことか・・・
最新のリマスター盤がリリースされれば、旧仕様のCDが中古市場に出回るのが常だろう。
個人的にすぐに思い浮かぶところだとThe Bandの旧盤などは、リマスター盤の入手後には全部手放したものだ。
反面、Sly & The Family Stoneの最高傑作「Fresh」はリマスター後も手元に残っているCDのはず。
もはや有名なエピソードながらCD化の際に正規盤とは異なる別ミックスのマスターが使用されたヴァージョンは放出するわけには行かない。(国内盤:ESCA5385)
少なくともレガシー・エディションが出るまではね!
と言うわけで、一家に3枚の「Fresh」なのだ。
East-West / The Butterfield Blues Band [Blues]
ダサさとカッコよさがギリギリ紙一重なところが、Butterfield Bandらしいように思えてしまうジャケットだ。
このアルバムでインパクトが強いのは、彼らの看板であるブルースではなく⑤Work Song
とタイトル曲の⑨East-Westだろう。
ホワイト・ブルースとして聴くならば、むしろ1枚目の方が楽しめると思う。
初めて、ぼくがこの盤を聴いた時はまだジャズには手を出していなかったので、後にThe Cannonball Adderley Quintetの「Them Dirty Blues」というアルバムを聴いたときには結構驚かされた記憶がある。
そして、如何にも60年代末期なタイトル曲でのMike Bloomfieldにおける奇妙なギター・ソロ。
ギタリスト贔屓の日本においても、知名度が今ひとつ高くないのは何故だろう?
Paul Butterfieldのハープやボーカルも良いのだけどなあ・・・
3+3 featuring : That Lady / The Isley Brothers [Soul]
近年の湿度高めのアルバムも良いが、Isley Brothersの本来の魅力は黒光りした硬質にして重厚なファンクにあるはずだ。
その熱狂的なファンク・ナンバーがあってこそ、対極にあるアイズレー・マナーによるメロウネスが一段と映える。
フロントに立つRonald、Kelly、Rudolphの3兄弟にErnie、Marvinと従兄弟のChris Jasperを加えた6人編成としてスタートを切った73年の大名盤。
しっとりとした柔らかいバラッドの②Don't Let Me Be Lonely Tonight、甘い香りが立ち込め、これぞアイズレー・マナーが全開の⑧Summer BreezeもErnieが弾き倒すギターもたまらない①That Lady(Part1&Part2)、それは見事なカヴァーの⑤Listen To The Musicといったカッコいいファンクあってこそのメロウネスというものだろう。
これ1枚あれば、自宅でもソウル・バー気分に浸れること間違いなし!(かも知れない・・・)
Wandering Spirit / Mick Jagger [Rolling Stones]
僕が人生の節目に出会う音楽は、何故か、やっぱりストーンズなのである。
社長のソロ3作目にして最高傑作の「Wanderig Spirit」もそんな1枚。
当時は、音のデカさにも驚かされたが、このアルバムから、どれだけ元気や勇気をもらったことか…
Mickのカウントから始まるの1曲目だけで、人生やって行けると思ったものだ。
他人にどう思われようが、ほとんど宗教である(笑)
僕にとっては、クロスロードで途方にくれるタイミングに届いたMickの傑作。
まさしく一生の宝物なのだ。
しかし、そんな個人的な思い入れを度外視しても良質なファンクっぽいロック・アルバムだと思う。
オリジナル曲の良さもさることながら、カバー曲のセンスも流石である。
Bill Withersに御大JBだもんね。
もちろん、プロデュースのRick Rubinの「Good Job !」も見逃せないだろう。
これから先もネジを巻き直したいときには、知らず知らずのうちに手にしているアルバムに違いない。
社長!一生ついていきます!
The Dropper / Medeski Martin and Wood [Jazz]
ジャズ系のジャム・バンドの一番手、Medeski Martin & Woodの00年発表のセカンド・アルバム。
ぼくにとっては数少ない現代のシーンで活躍するバンドである。
John Medeski(key)
Billy Martin(ds,perc)
Chris Wood(b )
カテゴリーはジャズだが、大雑把に表現すると電化マイルスのエッセンスを振りかけた
ファンキーなSoft Machineというところだろうか。
この辺が好きならば気に入ってもらえるはずだ。
何故か彼らのHPでしか購入できない「Electric Tonic」もお薦めの1枚。
Happenings / Bobby Hutcherson [Jazz]
Bobby Hutcherson(vib,marimba)
Herbie Hancock(p)
Bob Cranshaw(b)
Joe Chambers(ds)
60年代中盤の新主流派と呼ばれる作品の中でも間違いなく上位にランクされるアルバムだと思う。
これは66年の3作目で、ホーン隊なしという点が流石ブルーノートなのだ。
Herbieとの相性も良く、この知的な美しさを持った演奏は何度聴いても溜息ものである。
収録7曲中6曲がHutchersonのオリジナルで、あとの1曲はHerbieの代表曲Maiden Voageを取り上げているが、もちろん目玉曲だ。
そして、よく言われるように本家を凌ぐ美しさだと僕も思う。
さて、演奏が白熱しても汗は飛び散らない新主流派であるが、これって同時代のMiles Davisの影響も大きいのでしょうか?などと思いながら、あれこれジャズを楽しむ今日この頃なのだ。
Average White Band / Average White Band [Soul]
Face To Face / ’Baby Face’ Willette [Jazz]
最近、ブルースを聴いていて再確認したのが、自身のスライド・ギターと電化ハープ好きだ。
これに関しては、もはや理屈抜きで、とにかく脳内に快感物質が出まくりである。
などと考えていたら、もう一つあった!オルガンだ。
以前、ブルーノートに熱中(LPと言いたいところだが、CD)したが、初めは「黒い」音楽ファンだった僕にとってジャズは物足りなかった。
しかし、オルガン・ジャズには一撃だった。当然だろう、黒音のルーツであるゴスペルには欠くことのできない楽器なのだから。
Grant Green(g)とBaby Face Willette(org)は、アルト・サックス奏者Lou Donaldsonに見出されブルーノートに参加している。
初レコーディングがLouの「Here 'Tis」、ちなみにLouが本物のソウル・ジャズというやつを聴かせてやろうと気合を入れて望んだ演奏だ。
そして、後日にギタリストの初リーダー作「Grant's First Stand」とこの「Face To Face」が録音されている。
泥臭いブラック・ミュージックこそ最高という人に、お勧めしたい1枚である。
RCAブルースの古典 [Blues]
日本での企画盤だが、ブルースの基本アイテムというべき戦前ブルースのアンソロジー・アルバムだ。
CD2枚に収録された全49曲は以下のようなカテゴリーから構成されている。
*初期のカントリー・ブルース
*メンフィス・ブルース
*ジャグ・バンド
*30年代のミシシッピー・ブルース
*ピアノ・ブルース
*シティ・ブルース
しかし、ブルースとは何て強い強度を持った音楽なのだろうかと改めて感動すら覚える。
とにかく聴き飽きない。
いや、聴くほどに染み入るものがあるのだ。
まさしく、一生付き合える。偉大なり黒人音楽。
Ssssh / Ten Years After [Rock]
ブリティッシュ・ブルース・ロック育ちの僕にとって絶対に外せないのがTen Yeras Afterだ。
反面、超メジャーな存在ではないので、世代の差を感じさせてくれるバンドでもある。
ぼく以上に音楽通でも一回り前後の年齢になると反応は薄い。
例えば、あのウッドストックでの彼らのステージは、現代の目で視れば正直なところ辛いものがあるしね。
しかし、オリジナル・アルバムは何れも素晴らしい。
地味なジャケットで損しているがヘビーなブルース・ロックにジャズ・テイストをまぶした1~3枚目は、いわゆる、隠れ名盤と呼ぶに相応しいと思っている。
そして、Chrysalisに移籍後の名作、邦題「夜明けの無い朝」。
英国バンドならではド~ヨンとした質感がたまらない。
そう、最近の天候にピタリと嵌まるサウンドなのだ。