I ' ve Got My Own Album to do / Ron Wood [Rolling Stones]
75年の話である。
既にリリース済みの1枚目も気にかかっていたものの僕が最初に買ったRonのソロアルバムは「Now Look」だった。
もちろん、同年のStonesアメリカンツアーのサポート・ギタリストの新作という事が購入の決め手だ。
この渋い2枚目に妙に心惹かれ、後に「I've Got My Own Album to do」も入手した。
StonesとFacesのメンバーが参加というだけで期待感の高いアルバムである。
さて、まだ高校生には、本作品の重要ポイント、Willie Weeks & Andy Newmarkのリズム隊までは気が回らなかった。
そりゃそうだ。この時点ではロック一辺倒。
Slyの「Fresh」やDonny Hathway「Live」を聴くのもずっと後である。
本作から一気に注目されて、パッと思いつくだけでも、Traffic解散後のSteve Winwood初のソロアルバム、Richard & Linda ThompsonにJoe Walshのライブ盤とあるが、何よりGeorge Harrison「Dark Horse」。
GeorgeとWoodyの共作 Far East Man はどちらのヴァージョンも素晴らしく、必聴。
個人的には英国ロックの隠れ名曲の一つではないかと思っている。
そして、もうひとつの重要ポイントが、It's Only Rock'n Roll (but I Like It)のベーシックトラックが録られたこと。但し、ドラマーはKenny Jones。
更にはDavid Bowie居合わせていた説まであり、ジャケットのアートワーク繋がりでBowie 「Diamond Dogs」まで聴きたくなる。
そんな豪華な1枚だ。
Shine A Light / Rolling Stones [Rolling Stones]
ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト デラックス版 [DVD]
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- メディア: DVD
今年の夏も定例のDVD宴会を行ったが、メインは当然「Shine A Light」である。
やはり、The Rolling Stonesは世界的な優良企業であると再確認させてくれる。
実は、この作品では、社長の下Stonesという商品を演じきる彼らの姿勢に多いに感動した。
前列にキレイどころを配した演出(ですよね)やメンバーの体型や衣装といい、たとえ幾つになろうともロック・バンドが持ち続けるべきイメージを具現化していると思う。
しかし、クリントン元大統領ご一行様への接待やら記者会見は全然ロックではないのだが、こういう事をきっちりとこなして行く姿勢に感心させられる。中堅、若手ミュージシャンの皆さんは参考にしましょうね。
音楽的には、さすがに映画収録で気合いの乗った演奏。
個人的にはShe Was Hotがベスト・チューンだろうか。
Mickがラップ調にカマしてみせるFaraway Eyesにも痺れる。
さて、MickとKiethの二人は妖怪を通り越し、いよいよキャラクター着ぐるみみたいな存在になってきた感もある(笑)
打倒!ガチャピン&ムックかも知れない(注 けっして悪口ではありません)
ところで、Charlie爺は年を重ねるごとにカッコいい!
あんなジジイになりたいもんである。
Wandering Spirit / Mick Jagger [Rolling Stones]
僕が人生の節目に出会う音楽は、何故か、やっぱりストーンズなのである。
社長のソロ3作目にして最高傑作の「Wanderig Spirit」もそんな1枚。
当時は、音のデカさにも驚かされたが、このアルバムから、どれだけ元気や勇気をもらったことか…
Mickのカウントから始まるの1曲目だけで、人生やって行けると思ったものだ。
他人にどう思われようが、ほとんど宗教である(笑)
僕にとっては、クロスロードで途方にくれるタイミングに届いたMickの傑作。
まさしく一生の宝物なのだ。
しかし、そんな個人的な思い入れを度外視しても良質なファンクっぽいロック・アルバムだと思う。
オリジナル曲の良さもさることながら、カバー曲のセンスも流石である。
Bill Withersに御大JBだもんね。
もちろん、プロデュースのRick Rubinの「Good Job !」も見逃せないだろう。
これから先もネジを巻き直したいときには、知らず知らずのうちに手にしているアルバムに違いない。
社長!一生ついていきます!
The Rolling Stones [Rolling Stones]
The Rolling Stones (England's Newest Hit Makers)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Universal Brasil
- 発売日: 2002/08/27
- メディア: CD
64年のストーンズのデビュー・アルバムだ。
これ以外に何を書けというだろう!と終わりにしたいが、書きたいことはある。
やはり、これは英国デッカのオリジナル仕様に拘りたい。
まず、ジャケットだ。字があると無しでの雲泥の差に驚かされる。
Not Fade Awayには何の恨みも無いのだが、やはり、1枚目は、Route 66が幕開け曲に相応しい。
そして、若きストーンズの元気溌剌 I Just Want To Make Love To You は、邦題「恋をしようよ」が似合う。
いや、案外とビートルズ「抱きしめたい」と交換しても、夫々マッチするかも知れない。
それでは、英盤の収録曲を挙げておこう。
①Route 66
②I Just Want To Make Love To you
③Honest I Do
④Mona(I Need You Baby)
⑤Now I've Got A Witness
⑥Little By Little
⑦I'm King Bee
⑧Carol
⑨Tell Me
⑩Can I Get A Witness
⑪You Can Make It If You Try
⑫Walking The Dog
⑦もたまらんものがある。
Bridges to Babylon / The Rolling Stones [Rolling Stones]
このアルバムが発表されたときに、ぼくは超大型ストーンズ・モードだった。
そんなタイミングで出会ったので、メチャメチャ聴き込んだ思い入れが大きい1枚である。
いまでも、CDをセットすることは多い。
現在でも続くセンター・ステージに移動しての演奏も、このBabylon Tourから始まっている。
東京ドームでバビロン橋が延びて、メンバーがセンター・ステージへ移動する演出にも驚かされたが、ラッキーにもすぐ目の前のストーンズには言葉も出なかった。
このアルバムがリリースが、早12年前の出来事なんて信じられない。
今日は、これからホルモン焼きに行ってきます、Flip The Switch !(意味不明、笑)
Too Hot For Snakes Plus / Carla Olson & Mick Taylor [Rolling Stones]
Carla OlsonなるTexasの女性ロッカーとMick Taylorの共演盤を2CDにまとめ上げたリイシュー・アルバムだ。
1枚目が、90年に発表された「Live At Roxy」を拡大した12曲を収録、2枚目の13曲は93、94年と01年の彼女のスタジオ・アルバムを中心にしたものが収められている。
また、90年のライブと93年の作品には、Ian McLaganも参加している。
このアルバムの購入動機は、Taylorのギター目当てであり、否が応でも気になる楽曲は、Sway、Silver Train、及び、国内盤でのみリリースされていたYou Gotta Moveに、WinterとThink I'm Goin' Madだった。
特に、未発表のalternate takeとクレジットがあるWinterでのTaylorのギターは本家ヴァージョンを凌ぐのではないかという出来である。
この1曲だけで元が取れたように感じる。
恥ずかしながら、今回のリイシュー盤で初めて知ったCarlaだが、素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれる。
あのThe ByrdsのGene Clarkとの共演盤もあるような女性であった。
最近の僕の愛聴盤の1枚なのだ。
しかし、Collectors' Choice Musicという、その名もズバリの復刻専門レーベルは目が離せない存在である。
Gimme Shelter / The Rolling Stones [Rolling Stones]
このところ寒さが厳しい関東地方であるが、こんな気候には、この映画だろう。
69年のUSツアー最終公演の所謂、オルタモントの悲劇と呼ばれるフリーコンサートのドキュメンタリー映像「GimmeShelter」だ。
メンバーの悪魔的な妖しさと力強さが漲る演奏は、現在でも感じ取れるだろう。
僕がRolling Stonesというバンドにのめり込むキッカケとなったので、思い入れも一段である。
初めて観たのが九段会館でのフィルム・コンサートで、その後もファンクラブ主催の上映会に行ったりもした。
しかし、現在のように手軽にいつでも観れるわけもなく、これが一段と印象深いものとなっている。
当日のセット・リストを挙げておこう。
劇中では、M.S.Gの演奏が多く使われているそうだ。④は、珍しい選曲。
⑧は、発表前の初演である。
Altamont Speedway,San Francisco
①Jumping Jack Flash
②Carol
③Sympathy For The Devil
④The Sun Is Shining
⑤Stray Cat Blues
⑥Love In Vain
⑦Under My Thmb
⑧Brown Sugar
⑨Midnight Rambler
⑩Live With Me
⑪Gimme Shelter
⑫Little Queenie
⑬(I Can't Get No) Satisfaction
⑭Honky Tonk Womem
⑮Street Fighting Man
Europe '73 / The Rolling Stones [Rolling Stones]
①Brown Sugar
②Happy
③Gimme Shelter
④Tumbling Dice
⑤Heartbreaker
⑥You Can't Always Get What You Want
⑦Dancing With Mr.D
⑧Angie
⑨Honky Tonk Women
⑩Midnight Rambler
⑪All Down The Line
⑫Rip This Joint
⑬Jumping Jack Flash
⑭Street Fighting Man
73年欧州ツアーのRolling Stonesは、まさしく蝶のように舞い、ハチのように刺す演奏を繰り広げた。
Taylorの弾く手を全く休めない美しいスライドと鉈を振るうが如くザクザクと刻みまくるKeithのギター、そして初参加のBilly PrestonにBobby Keysを筆頭にしたホーン隊が加わった紛れ無くStonesのライブ絶頂期だろう。
73年モノの代表作と言えば「Nasty Music」だろうが、個人的には「Europe '73」を好んで聴くことが多い。
Stonesお約束である後半の怒涛の展開も73欧州が最強だ。
こんなに物凄いStreet Fighting Manは二度と聴けないと思う。
また、この時点での新作「Goats Head Soup」からの3曲も堪らない。
ぼくもそうであるが、ストーンズ者には(多分)どうでもいいAngieだが、この電気ヴァージョンは無視できないカッコよさ。
ところで、73欧州で弾きまくるTaylorだが、一説には社長から「イッてよし!」と指示が出ていたとか。
いずれにしても、ストーンズ・ブート天国への入り口が、73年欧州ツアーである。
Mick Taylor / Mick Taylor [Rolling Stones]
①Leather Jacket
②Alabama
③Slow Blues
④Baby I Want You
⑤Broken Hands
⑥Giddy-Up
⑦S.W.5
⑧Spanish / A Minor
弱冠17歳にしてBlues Breakersに参加後、Brianに代わり絶頂期である69年~74年のStonesに在籍という輝かしい経歴を誇るMick Taylor。
(株)ローリング・ストーンズ退職後には、Jack Bruceとジャズ界の才女Carla BleyのバンドやGongのアルバムに客演とジャズ・ロック方面に出没していた。
そして、忘れた頃に唐突に発表された印象が強いソロ1作目である。
ジャケットを手がけるのはHipnosisで、Taylorの繊細なイメージを上手く表していると思う。
全曲、彼のオリジナルで、インストが4曲、あとは自らヴォーカルをとるが、悪くない。
もちろん、ブルースでも泥臭くならない例の流麗な独特なトーンのギターに耳を奪われる。
Taylorは、所詮、ECのミニチュアみたいな批判を目にすることもあるが、僕はそうは思わない。
このアルバム前半が、そのECのソロ・アルバム風であるようなMick JaggerがヴォーカルならStonesのようにも響くし、後半は殆どJeff Beck「Blow By Blow」の世界だ。
野心的な作品ではないが、心地よく聴ける。
頻繁に聴く1枚ではないのだけれど、一度CDをセットしたら曲を飛ばすことなく聴ける1枚でもある。
Stones好きなら、聴いて欲しいアルバム。
最後は、Time Waits For No Oneのフレーズで締めくくられているし(苦笑)
Who Went To Church This Sunday / The Rolling Stones [Rolling Stones]
①Honky Tonk Women
②All Down The Line
③If You Can't Rock Me
④Star Star
⑤Gimme Shelter
⑥Ain't Too Proud To Beck
⑦You Gotta Move
⑧You Can't Always Get What You Want
⑨Happy
⑩Tumbling Dice
⑪It's Only Rock'n Roll
⑫Doo Doo Doo Doo Doo(Heartbreaker)
⑬Fingerprint File
⑭Angie
⑮Wild Horses
⑯That' Life
⑰Outta Space
⑱Brown Sugar
⑲Midnight Rambler
⑳Rip This Joint
Street Fighting Man
Jumpin' Jack Flash
Sympathy For The Devil
75年のアメリカ・ツアーは、7月9日から五夜連続のLAフォーラム公演は演奏が一際充実していたと評価が高い。
73年欧州ツアーから参加のBilly Prestonに2曲の持ち歌コーナーが与えられたり、ほとんど反則のパーカッションOllie.E.Brownを加え、粘っこいファンキーな演奏が、このツアーならでは。
Keithも弾く手を休めず(近年のステージに慣れていると、これが感動的なのである!苦笑)分厚いカッティングで、Charlieのタイトなドラムと一体化した怒涛の演奏だ。
Stones初参加の緊張感一杯なRonもFacesでのプレイ同様、丁寧なギターを聴かせる。
そして、メロディーを無視してワイルドに叫びまくるMickも75年ならではのスタイルだ。
何れのナンバーもハイ・テンションな演奏で、度肝を抜かれる。
変わったところでは、Fingerprint Fileだろうか。
Wymanがシンセに回り、Ronが例のギター的なベースを弾き、MickとKeithの2ギター。
ここでは、Keithが大奮闘。
ワウを踏んだカッティング及びソロもかっこいいフレーズでキメてくれる。
そんなLA公演の最終日に相応しい名演。
そして、あり得ないぐらい良好なステレオ・オーディエンス録音を楽しめる盤が「Who Went To Church This Sunday」だ。
バランス最高にして臨場感抜群である。
同時期のオフィシャル「Love You Live」とは、全く違う75年最高のStonesが楽しめる。
「Love You Live」が、きちんと加工されたツナ缶だとしたら、「Who Went~」は、そのまんま生のマグロ一匹ぐらいの差はある…(笑)
と言うわけで、刺激が強すぎて、Stonesブート入門には適さないかも知れない。
ただし、これに手を出すとブートの底なしドロ沼にズッポリは、間違いなし。
実は、この盤で僕もStonesブートは、72・73年だけという自分なりのルールがあっさり崩れ、Stonesブートは、70年代という方針の変更している(笑)
結論 「バンドに歴史あり」
どの年代にも聴き所は満載、偉大なり(株)ローリング・ストーンズ!